Oct 17, 2005


Oct 16, 2005

toiyo

Oct 8, 2005

檸檬爆弾




丸善が閉店する。

慣れ親しんだ7、8階の芸術書や洋書のフロアはもうなくなっていて、仕方なく小説を扱う2階に檸檬爆弾をふたつ、仕掛けた。切なくなるんだろうなあ、と予想していたんだけれど、切なくもならなかったし悲しくもならなかった。

やはり閉店二日前だということで、いつもより人が多かったり、いつも無愛想な販売員が丁寧すぎる接客や深いお辞儀をしたりしていた。消える前のろうそくだ。ずっと濁った煙が肺のなかをぐるぐるして、丸善を出てもなかなか体の外に出てくれない。ごちゃごちゃした河原町にどっしり構えていることがかっこよかった。カラオケになるなんて、終わってる。


そのあと六曜社でコーヒーを頼んで虚しさに浸ろうとしたけれど、ドーナツがおいしくてどうでもよくなった。友人と段落ごとに檸檬の朗読をして、嘘泣きをした。帰りも小説にある風に「活動写真の看板画が奇体な趣きで街を彩っている京極を」下った。なんだか。






私はこの想像を熱心に追及した。
「そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉みじんだろう」